クマノジカンアオイ

新宮市
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学名 : Asarum kooyanum var. kumanoense(予定)

開花期 : 4月~5月

分布 : 紀伊半島南部(和歌山県・三重県)

 

 葉はハート形から狭ハート形、葉の縁はふつう平ら、基部は開くか又は重なる。先端は少し尖る。上面は明るい緑色から暗緑色、無地か下り藤模様、まれに白点を伴う、光沢なし、葉脈の没入は弱い、葉表面と葉の縁に疎らに多細胞の繊毛あり、裏面は青白い緑色から薄い赤紫色、無毛、葉脈はやや隆起し青白から薄い赤紫色、開花時の新葉下面の主脈には多数の繊毛あり。葉柄はふつう暗茶色、疎らに多細胞の繊毛あり。

 花はふつう薄いピンク色の地に赤紫の細点あり、単一花、腋生、地面に傾状。花柄は長い。萼筒は筒形からやや長い筒型、萼筒頸部は括れる口環を伴う、水平から斜め上に張り出す、口環表面に単細胞の腺毛あり、開口部は狭い、萼筒外面色は萼片と同じ薄いピンク色の地に赤紫の細点と筋あり、無毛。内表面は乳白色に薄い赤紫色の目立つ格子状の縦と横の隆起を伴う。縦隆起は9~17、平均11.3、横隆起3~5、隆起に単細胞の繊毛あり、

 縁に三裂片、萼裂片は水平か斜めに広がる、三角形、平、先端は尖る。上面の前面に単細胞の毛状体(腺毛)あり、下面は無毛、萼裂片は萼筒とほぼ同じ長さ。

 雄蕊は12、6で二つの輪に、基部で離生、ほぼ無柄、葯は外向きでほぼ直線、突起の先端はふつう二裂しない、開口部から出ない。柱頭は縁に近い楕円形、外向き、垂直か中心に向かって傾斜、子房は中位(半ば下位)

 近縁で、近接地に分布するコウヤカンアオイ(Asarum kooyanum)とは、より大きな萼筒と、より長い萼裂片を持つことで、又萼裂片と萼筒の長さがほぼ同じで、萼裂片が短いコウヤカンアオイと識別される。

自生地

新宮市
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